令和4年度 第2回舞鶴市図書館協議会 記録(抄録)

<議事>
(1) 開会
令和4年度 第2回舞鶴市図書館協議会 記録(抄録)
日時:令和4年 12 月 5 日(月)
午後1時 30 分〜2 時 45 分会場:舞鶴市立西図書館研修室

(2) 図書館協議会 議事
議題① 貸出冊数の変更について
議題② 令和3年度事業実績について
議題③ 舞鶴市図書館基本計画について(報告)議題④ その他

<会議録>
(1) 開会 (13時30分)

(2) 図書館協議会 議事
議題① 貸出冊数の報告について
*質問、意見は以下のとおり

★委員
・制限冊数を増やすことはいいことだと思うが、確認したい。延滞の割合はわかるのか。予約をしている本が返ってこないという状況があるのであれば、考えなくてはいけないのではないか。

☆事務局
・延滞する人はかなり少ない。制限冊数を無制限にしている綾部や京田辺にも聞き取りをしたが、延滞者が増えるということは全く心配しなくてもよいというアドバイスをもらった。貸出期限は守ってもらうようにPRはしていかなければならない。

★副会長
・制限冊数を増やすといろいろと不都合がでてくるのではないかという心配はあるだろうが、資料の京都府内の貸出冊数の表を見るとわかるが、例えば京丹後は20冊だが、ここは市民一人当たりの貸出冊数4.4冊である。八幡市は制限冊数が24冊で市民一人当たりの貸出が6冊以上、舞鶴は6冊だが市民一人当たりの冊数が3.21、長岡京は

舞鶴ると同じぐらいの制限冊数で貸出は5冊弱、つまり制限冊数と市民の借りる冊数は相関しない。図書館サービスの質に相関するのであって、どんなに制限冊数を多くしても、全体のサービス水準が低いとあまり借りられない。制限冊数を増やせば貸出冊数が増えそうに思えるが実はそうではなく、やはり新しい本が多いとか図書館に通いやすい環境にあるなどといったことの方が影響が大きい。もう一つは、一人の人が1回に借りる冊数というのはだいたい4冊前後だという調査結果が出ている。市民は貸出期間の2週間で読める範囲しか借りない。どんなに制限冊数を増やしてもだいたい1回に借りる冊数というのは平均すると4冊ぐらいであってあまり心配する必要はない。予約が集中する本を一人の人が占有してしまうということがあったとしても、貸出期限が過ぎた予約本については督促の手続きをする。では、なぜ4冊しか借りないのに制限冊数を増やすかというと、子どもが絵本をたくさん借りるとか、調べ物をしなくてはならない時、大量の本を部分的に比較しなくてはならない時などは、10冊ぐらい借りたいということがある。そういうことに対応するためなのだと一般的には言われている。先ほど説明があったように、館長が必要と認めれば、上記の限りではないという一文が入っているので、ちょっと多めに借りたいという人が来たら、特別に今回貸し出しますと言えばいいので、そういう柔軟な対応ができるようになる。大抵の人は、今お話したようにそんなに借りないので問題ないと思う。
資料のグラフの40代のところだが、コロナになった時に自分の子どもの絵本は変わらずに借りている。ところが、一般の実用書のところは半分ぐらいになっている。今の説明にもあったが、30代40代の人が絵本をこんなに借りることはありえない。本当は子どものカードで借りなければいけないものを、制限があるから親のカードで借りているということなので、いろんな統計の分析をするときに分析ができなくなってしまう。正しい統計を出すためにも制限冊数を増やさなければならない。ただ、制限冊数をあまり増やしてしまうと、今度は逆の現象が起きて、1枚のカードで家族全員が借りてしまうということが起きてくる。そうするとやはり統計が狂ってくる。その辺が難しいところである。

★会長
これについて特段の異論がなければ、原案通り了承するということでよいか。それでは原案通りということで、お願いする。

議題② 令和3年度事業実績について
*質問、意見は特になし

議題③ 舞鶴市図書館基本計画について

*質問、意見は以下のとおり
★委員
・進捗状況を教えてほしい。

★委員
・概要版は見やすく市民に理解してもらうのによい。フォーラムでもいろんな意見が出たが、知ってもらうことは大事である。

★委員
・市民フォーラムは最後までいられなかったので、どのような意見が出たのかがわからないが、そこで出た意見でこの計画が少し変わったり、手を加えたりすることが出てくるのか。

★委員
・市民フォーラムではたくさんの意見が出たが、根本的なことが理解ができていないように思う。すでに西駅の東側にくい打ちがしてあり、地質調査が始まっているのだろうか。少しずつ前進しているんだなと思う。

★委員
・市民フォーラムに参加して、図書館に対する思いというのはいろいろあるんだなということを実感した。他にいろんな会合などに出席しているが、多くの人が挨拶の中で図書館が西舞鶴駅前に建設されるということをふれている。機運が高まってきていると感じているので、あとはいろいろな思いを、同じ方向に向かって一つにして出来上がって行ければいいなと感じている。

★副会長
・フォーラムでは、東西それぞれに図書館がないとどうなんだというような意見が出ていた。重要なのは市民の方の誤解を解いていくことだと思う。これからいろんな市民の意見が出て計画の若干変更があるのかとおっしゃった件について、図書館基本計画を具体的にしていくには、市民の方からアイデアをいただく必要があるので、市民向けのワークショップを各地域に出かけて行って、その地域の人たちと話をしなければならないし、商店街の方だけ、農業をやっている人だけなど、それぞれに集まってもらうとか、地域別と業種別のような形で、やはりいろんな人の意見を聞く必要がある。そのためには誤解を解いていくということだと思う。
西と東は近すぎる。だいたい15分ぐらいの移動で人々は図書館に来るが、西と東の車

で15分の距離で円を描くとだいたい重なる。そういう意味では素晴らしい図書館ができると両方の地域から集まってくる。でも、新しい図書館ができてから皆さんに来てもらうのではなくて、新しい図書館ができる前から少しずつ利用を増やしていく、助走をしていってみんなが新しい図書館ってこういうイメージなんじゃないかということを市民が理解していったときに、新しい図書館ができると大勢の人がやってくる。新しい図書館ができてから何かやるのではなくて、できる前にいろいろやっていくことが重要である。長野県の塩尻市では、8年も準備期間があった。敷地で芋煮会をやったり、みんなで手をつないで新しくできる図書館の形を作ったり、市役所の中に図書館の開館まであと何日という掲示板を作ったり、いろんなことをやって利用を増やしていった。その上で新図書館がオープンした。各地域のワークショップには私もなるべく来ようとは思うが、できれば皆さんが各地域でワークショップに参加していただいて、地域の市民の誤解を解いていくということをやっていただけたらいいのではないか。

☆事務局
・市民フォーラムからパブリックコメントの流れの中で、2点反対の大きな意見があった。 1点目は、高齢になってくるので車で新しい図書館まで行けない、東に住んでるから行けないなどの理由で、東図書館を残してほしいというご意見である。それに対してはこの図書館の基本計画を説明してご理解いただくしかない。図書館サービスを市全域に届けるというのが基本的コンセプトなので、今の公民館機能を活用して東と大浦に新たな分館を作り、5つの分館にして、そこで予約本を受け取っていただく。アンケートやパブリックコメントのご意見では、本は手にとって中を開いて出会いたい、本との出会いが欲しいというご要望がある。そのためにも東図書館を残してほしいとう意見がある。今の分館は確かに動かない本が多く蔵書数も少ないが、分館の本を中央図書館から定期的に入れ替えることにより、中央館に行かなくても一定程度新たな本と出会うことができる。例えば子どもが多い地域なら絵本を多く入れるなど、分館の特色をふまえながら入れ替えることで、分館の魅力を高め、本との出会いを大切にしたいというご要望にはお応えしたい。BMについても、導入できればもっと周辺地域にも行けるので、どうかご理解願いたいと市としては答えていきたい。
もう1点は、そんな大きな図書館はいらない、課題解決というがそんな利用が本当にあるのかという意見である。それに対しては、今のままでは、東西図書館の周辺部の方は来られるが、それでも一人当たりの貸出冊数は少なく、さらに減っている状況があるので、市民の皆さんに必要とされる図書館、忙しくて行けないのではなく必要だから行くのだという図書館に変革していかないと図書館の将来はないといような、基本計画に記載していることを説明して理解していただきたいと考えている。
市民の反対意見に対して、基本的には市としては今のような答えとなる。具体的な中身

についてはホームページに公表する。
変更点があるかということについては、基本的にはない。計画通りに進めていきたいと考えている。
委員からも機運を高めていくという話が出ていた。副会長はまず市民理解を広めていくために、各地域で説明会をやっていこうということをおっしゃっていたが、ワークショップを今年度末から開催する予定になっている。中央図書館で市民の皆さんがやりたいこと、図書館ができたらこんなことがしたい、こんなことに参加したい、こんな利用方法があるんじゃないかということを皆さんで議論していただいて、市民参加ができるような機運を盛り上げていただきたい。図書館協議会の皆さまにもぜひとも支援をいただきたい。今年中には計画書を策定したうえで年明けからはこのスケジュールにのっとって計画が始まるということだ。
★会長
・市民に対しての公共的なサービスとか公共的な施策を残すという点では、今だけ、自分だけ、お金だけの話はやめて、未来に自分たちを超えた立場で全部考えていくのが責任だと思っている。そういう点では、舞鶴の図書館はどうなっているのか。東西両図書館のインフラを見た時これは持たないとはっきり思った。つぶすしかないのではないか。その現実を市民もはっきり認識すべきだ。これはあと10年持つかもたないかだと思う。冷暖房、給排水をやりかえるというと新設以上にお金がかかる。そういうことがわかっているのか。だったらこの際スクラップして新たにやっていこうというのがこの案である。そこで危惧するのは、市民の皆さんにとって、分館というのは公民館のすみっこに図書コーナーがあるみたいなイメージがあるのではないか。キーワードは分館ではないか。今までのような分館ではなく、充実した蔵書配置をして、絶えず司書が見回って新しく入れ替えていく、地域の特性に応じた課題を見破ったうえで蔵書配置していくんだと、そんな戦う図書館になるんだということをもっと言った方がいい。今までの分館とは違うと言った方がいい。分館とのネットワークをきちっとするために、司書はもっと機能的に出たり入ったりしていて、常時配置の司書とも連絡をちゃんとやっていく。機械を使ってやる方法もいずれはやらなくてはならない。ドローンなど使うということも言いきっていいと思う。今は西も東も中途半端なんだと言いきった方がいい。両方の資源を集めればしっかりしたものができるという発想の転換である。だからと言って東地域をおろそかにするのではない。ネットワークの中でバックアップする。あえて東西論が出てくる可能性があると思うが、文化ホールなど東に残したものは西を廃止しているので、今度は西に持ってくるのは当然ではないかということを言ってもいいのではないかと思うが、それよりも、いい図書館を作りたい、東西資源を出し合って頑張るんだという話にした方がいい。
ワークショップは大賛成。ただその時に、反対のための反対というのが出てくると思う

が、辛抱強く話はした方がいい。できれば図書館協議会の委員さんたちもそこに参加してもらえればうれしい。
舞鶴市における住民自治の力が今問われているが、舞鶴は実際に市民自治の力を引っ張り出す施策を打ち出せていないのではないか。図書館施策における団体自治と市民自治の役割分担とはなんだろうということは図書館協議会でも議論していったらいいのではないか。例えば読み聞かせや朗読のボランティアが多いというのは、行政資源をそこにふりわけていることで助かるということだ。自前でやっていく必要がなくなってくる。市民の側も市民でしたいようにするというようなボランティアはやめてほしい。ルールと節度とスキルアップが必要である。住民自治力を各部局が鍛えるということが大事である。そういう意味では図書館施策における住民自治のエネルギーって何だろう。それをシステム化するってどういうことだろう。それを図書館構想の中でビルトインするという作業が必要なのではないか。学校におけるボランティアサービスが必要かと思う。司書教諭にばかりその責任を押し付けるのではなくて、PTA や学校の周辺に住んでいる地元の人たちにも出てきてもらいたい。そういう人たちをもっと開発する必要がある。そこをもっとこれから議論していこうという提案だ。住民自治と行政がどうタイアップするのかきちっと示して、その辺に対する施策をしていかなければならない。その努力がされていれば、このような図書館計画ができたときに、私はこんなことをやろうなどという意見が出てくる。分館を支えるボランティアシステムとはどうなのか、それに対して行政はどう考えているのかという討論ができるとか、そういうのに発展するべきものだと思う。それをこの協議会がいろいろ探っていきながら提案をしていったらどうか。これで一つのピリオド打ったわけではなく、次のステップに入らなければならない。本当の意味での住民自治を活性化するための新計画の展開にもっていけないかということを期待している。

★委員
・中央図書館のスケジュールを掲載しているが、設計段階のところではやりなおしがきくが、固まったらあとは建設になる。まだ緩い計画のところで意見を言える余地はあるのか。今ある分館の層が固定しているということについて、できてからやるのではなく、こちらもやりつつ中央図書館に向かっていくということはできないか。

☆事務局
・新しい図書館の設計に意見が言える余地があるかということだが、ある。スケジュールとしては、来年度基本設計をする。その段階で、図書館(司書)サイドも意見を出すし、来年度ワークショップをやるといっていたが、今の図書館に何が足りないのか、だからこんなものを作ってほしい、私たちはこんなことをやりたいから新しい図書館にこんな

部屋を作ってほしいといったようなことを、基本設計を受ける業者もワークショップに参加するので、設計業者にも直接参加者からの発言を聞かせる。ただ、当然100%できるわけではないので、そうして意見を聞かせてもらい、どんどんイメージをしてもらって、市民が求める図書館に形としてなるようにしている。基本設計ができたら、それに基づいて詳細設計になるので、そこまでいくと変更が難しくなるが、令和5年度あと 1年をかけてワークショップの中でご意見をお聞きして、そこでボランティアなどとして参加してもらう方々がどんなふうに利用することができるか、塩尻市なんかでもそんなふうにして意見を採用していったと聞いている。視察に行った守山の図書館でも、司書が設計者にどんどん要望を出して設計を変更していったと聞いているので、舞鶴でもそうしていきたい。
中央図書館ができなくても早くネットワークを組んでシステムを入れたらよいという意見は、パブリックコメントでもあった。残念ながら現状では、手が回らない状況がある。これから人員も増やしていくが、行政サイドも準備ができないと、人も足らないし本も買っていないので、そういったところが十分整ってからになる。来年度は難しいが、基本的には中央館ができてからという理由はないので、なるべく早く準備をしていきたい。

★副会長
・市民の要望を取り入れる件について、今の説明のとおりで、設計の事務所と自治体との契約の中で、ワークショップの運営も込みで契約することが多い。設計者がワークショップに参加して、市民の意見を聞きながらということが多いので、舞鶴もそういうことになると思う。重要なのは会長が言われたように、市民の力が試される。市民が行政力を持つ、本当にいいものを作るために市民の皆さんが本気になって参加することが重要で、図書館建築をする過程で市民が行政に参加していくという、市民の自治力を高めていくということが重要だと思う。躯体の中に鉄筋があってコンクリが入って骨組みになる部分がある。そういうものを変更しなければならないぐらい大きな変更があるような要求が市民から出るようなことはまずない。市民から出てくるのはもっと小さなことで、ここに椅子があったらいいのではないかとか、ここに水があって飲めたらいいのではないかとかというようなことである。今の図書館は、なるべく壁をなくして、広いところでいろんな人が同時にいろんなことができるようにするという傾向にある。小さな部屋にしていくと、とても使いづらくなる。なるべく広くとって使いまわしができるような発想になっているので、皆さんがいくらアイデアを出しても設計を最初から書き直すなんて言うレベルはないので、まず大丈夫だと思う。
分館については、ワークショップをやる時に、なるべく市長も顔を出してもらいたいと思うが、そこで分館も何とかしてほしいと皆さんが言えば、市長も個々の分館をリニューアルしようなどと考えるかもしれない。それを同時にやった方がいい。それが助走期

間になる。
高齢者の方たちに関していえば、今の日本は急激に変わっていて、無人の車が走れるようになった。コミュニティバスは無人のバスが走り始めている。中央館ができる頃にはそんな時代が来るのではないか。そうすると高齢者の方はそういうものを使っていただく。アメリカなどは高齢者を車で送るボランティアなどがある。そういうことも考えればいいのではないか。
塩尻市は人口6万人の町だが、図書館に年間延べ60万人の人が訪れる。そのうち30パーセントが市外からくる。そういう状況で、新しいきれいな分館を作った。利用が出てきて、市民がそれですごく喜んでいるという状況になれば、当然行政の方もちゃんとした分館作ろうかという話になる。そのときに東地区に分館を作るなど、大きな図書館施策を市民の方が持ったらいいのではないか。
皆さんに配ったグラフの資料があるが、日本の図書館は利用が減っているが、アメリカの図書館は少しずつ利用が増えているという話を聞いている。アメリカの図書館のグラフであるが、1992年から2019年までの下の折れ線が合衆国政府からの補助金の額である。ほとんど変わらない。ところが点線の右肩上がりのグラフ、これは市町村の図書館の予算である。日本と全く逆で、日本は図書館の予算が減ってきている。アメリカは30年間で3倍になっている。アメリカは各自治体の予算がこれだけ増えている。どれだけアメリカ人が図書館を大切にしているかわかる。アメリカ人は役に立たたないものには金を出さない。だから役に立っているということ。こんなものも参考にして、本当に役に立つ図書館にしていこう。

議題④ その他

(4) 閉会 (14時45分)

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